診療科について

遺伝科部長あいさつ

遺伝科部長 黒澤 健司

次世代シークエンサーやマイクロアレイCGHという、これまでは研究室の中だけの話であった“ヒトの全ゲノム解析技術”が“臨床応用”される時代がいよいよ到来します。一方で、医療における対象はヒトではなく「ひと」であり、こころを持つ、社会の中のひとりです。

自分や家族の遺伝病の原因を何としても知りたいと考えることもあれば、それを知りたくないと考えることもあるでしょう。その両方の思いが混在することもあります。遺伝情報は個人における疾患の易罹患性(病気への罹りやすさ)を示すだけでなく、世代を超えて子孫や家族に影響をもち、多くの情報を含むが故に特別な配慮が必要であるとされています(UNESCO「ヒト遺伝情報に関する国際宣言」2003年)。機械が生み出す膨大な遺伝情報を整理し、伝え、ひとりひとりの人生に照らし合わせてともに考える遺伝カウンセリングは益々重要になるでしょう。

こども医療センターの遺伝科は、染色体がまだ実験室の研究課題でしかなかった時代から、小児医療の一分野として遺伝医療に取り組んできました。そして多くの先天異常症候群(Rubinstein-Taybi症候群、Sotos症候群、14番染色体父性片親ダイソミー、Costello症候群、Cardio-facio-cutaneous(CFC)症候群など)の原因解明や自然歴研究に貢献してきました。また、わが国における先天異常の発生頻度を明らかにし、その発生動向を経時的にとらえる神奈川県先天異常モニタリングシステム(Kanagawa Birth Defects Monitoring Program:KAMP、および神奈川県新生児特別地域保健事業)の展開にも 多くの役割を果たしています。

未来に向けて私たちは、4つの使命をあげました。それは、

  1. よりよい遺伝”医療”を実現すること
  2. 遺伝医学の発展に貢献すること
  3. 遺伝医療の発展にリーダーシップを発揮できる次世代の専門家を育成すること
  4. ひとの多様性を尊重する地域社会の構築に貢献すること

です。

急速に発展する遺伝医学における新しい知識と技術を今日の診療に活かし、遺伝の問題を不安に感じている方々の健康と福祉に役立ちたいと願っています。

 

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